デザインの話 Feed

2011.09.08

ロットリングは 引き出しで眠る

随分と 引き出しの中を整理してない

仕事がパソコンに 少しづつ移行してから 

引き出しを開く 回数が減ってきた

段々と 机の上に置いてある文具で足りてきている

あなろぐ仕事の時は しっかりと自分用の引き出しを

いくつか確保して 七つ用具が並べられていた

必要に応じて 取り出して使う

クロッキー帳と芯ホルダー 削芯器 消しゴム

というときは しっかりとアイデアを練っている時

絵皿 梅皿 丸筆 平筆 ポスターカラー パネル板

ポスターを描いているか 包装紙のデザインの時もあった

レタリングを書いてる時や 細い罫を引いてる時は

ガラス棒 溝引き差し 面相筆 インク 烏口

版下や製図のような 精密な細かい部分は

定規類とロットリングにお任せ

通称で ロットリングと読んでいたが

ロットリングとはドイツのメーカー名で

筆記具の種類があったと思う 

外国製のものが そんなに持てる時代でもなく

必要な製図道具のみ 精巧な外国製のものを手に入れいた

何しろ デザインを始めた時点で 道具を揃えるので

一番お金が掛かる 後は追々揃えることにして…

『0.1mmの線』というブログタイトルに出てくる烏口と闘った後に

均一線を長く引く事の出来る 生産性のある道具にと

この時に ロットリングが登場してくる 

今では 外国製はそこまで高価な印象はないが

あの頃は 高くて当たり前の貨幣価値であり

ロットリングは 1本3,000円していた

線を描く太さが0.1mmとか 0.13mmとかあり

口金の部分を交換できるのだがこれも同じ位高い

使わないでいると インクがすぐ詰まるので

使う時にトントンと 手首を振る 

ロットリングをしっかり 振っていると

中からコトコトと音がして 詰まっていないのが分かる  

クリーニング用のペン立てに入れておき

インクが詰まらない様に意識して 大事に扱う    

机の上には製図板が乗っているので 鉛筆のように転がり易い

うっかり落しでもすると 細いペン先が  

簡単にまがってしまう  ……である

休日にも関わらず よく事務所で仕事をしていた

ある日 幼子が背中をむけて静かに一人遊び…

『お利口じゃね 何してるの?』

『お絵描きしてるの』

背後から見ると トレイの中のロットリング

ペン先が折れていた 何本も挑戦した後が 無念…

目の前 真っ暗 汗たら〜り 

今日の一枚(お絵描きはクレヨンでね)

H23908


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2011.09.03

パッケージデザイン事件 

パッケージデザインという仕事を 

いろいろ手掛けた

パッケージデザインは 中身が見えないので

消費者に その品の特性を示し 購買意欲をもたせる

第三者的なものの見方をしながら 作業する

主に食料品の仕事が 多かったのだが

容器から考えるものも 容器は用意され

外見のみ デザインする場合もあった

ところで…

あまり用意されなかったのは 中身である 

食料品ということで 腐敗しやすい 

納期まで 預かっていると 臭う

冷蔵庫に保管して デザインを考える時だけ出して

イメージを抽出させて また 冷蔵庫へ

品物が汗をかく 何度も繰り返す

印刷する段階になり 仕事が手から離れると

食料品関係すべて 返還するが

臭うと『それ処分してて』といわれる

だいぶん冷蔵庫に眠って 庫内がにおう

お菓子類の仕事を受ける時 紙切れが貼ってあり

食べないでください というのもあった

誰が 食べるかい とツッコミをいれつつ

口卑しく食べた人がいたからか  賞味期限も問題か 

などと いらぬ考えも してみた

ひとつ ある出来事が思い出される 

醤油の パッケージデザインの仕事をした時…

お歳暮に出すパッケージをと 注文がきた

醤油瓶は お決まりなので あとは衣装のみ

たかが醤油といっても 高級醤油なので 

おしゃれに 粋に 1年の締めくくりとしての

贈って喜ばれる もらって嬉しい お歳暮品…

労力を惜しまず しっかりとデザインした  

満足してもらい 納期も終わった

印刷後の完成されたものは 手元にこない ので

実際に出来たのを見てみたい と思い

デパートに足を運ぶ 陳列棚をさがす

あった あった 遠くから眺めてみる

近くに寄って 他所と比べてみる

いい出来じゃない 他所に劣らぬ出来だこと

これ買って帰ろう 自分で購買意欲を持てるデザイン

しかし…

しっかりよく見ると これはうちでやったダミーの品々

きっと 印刷が間に合わなかったのねと 勝手に解釈

注文して 届くのを待つ

届いた品物は やはり同じダミー品

デパートに連絡して 品物が違う事を説明

自分たちでした仕事を 買うなんて理解出来ない

低姿勢で謝られて 印刷後の商品と交換

ダミーでつくった品が 自分たちでも気がつかない程 

上出来だった

・ 

只 中身の醤油がありませんから

今日の一枚(お醤油ください〜)

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2011.08.28

色付け作業

いつの頃からか

新聞の紙面自体も カラー色になっている

折り込みチラシも 基本的にカラー刷になり

最近単色で刷られているのを あまり見た事ない

今では単色でもカラーでも 印刷機械は同じ 

作業行程は同じようなもので 紙代も同じで 

インク代程度 少し安価なのだろう

1色刷りはスミ色と 一般的には決まっている

4色刷りとは カラーで刷る事を意味する

YMCKで色を指示して 印刷にまわす

4原色プロセスカラーという 

Y100%(イエロー)M100%(マゼンダ)

C100%(シアン)K100%(ブラック)

100%から10%単位で色の掛け合わせで指定する

掛け合わせて刷ると色んな中間色が表示できる

この色合いも印刷会社によって 機械によって

綺麗に出たり バランスが悪かったり…

書き間違って指示なんてすると Oh! My God

修正はきかないから 刷り直し 若しくは

大体は目につきにくい箇所なので そのままにして

見て見ぬ振り と決めてかかるのだけど…

今はパソコン上で 制作しているから 

モニターの見た目で 色調節が出来て 

細かい指定はあまりしない 

プリンターとも カラー調節が合ってればの話だが…

デザインさえ決まってくれば

版下 色指定 校正など データー上で簡単調節

微妙な色を必要とするならば 試し刷りをして

細かく修正していくのだけれど… 

YMCKのカラーと異なり 特色(スポットカラー)というのがある

特別につくってあるインクで 

エメラルドなら エメラルド色が鮮やかに再現される

金 銀 シルバー メタリックなども 

インクメーカーが用意しているインクで 調合をしている

この場合 色は4色ではない 1色刷の時もあり

2色の時も 6色の時もある インパクトのある印刷

・ 

私のしていた頃は 2色指定の仕事が多かった

と言うのも 2色のほうが断然安価だったからだ

印刷機械もそういうのがあり 2回のみ通すほうが安くつく

製版のフィルムも 少なくて済む

いつも仕事は安く 上手く 早く 気分良く受けるのが基本

カラーに比べて 少し工夫がいる 2色刷りでも負けないぞと 

色見本を扇状に広げて 組み合わせを考える

どの色が効果があるか 手に取って見てもらえるには… 

どんなに考えただろうか 2色刷り 

言える事は カラー刷りの仕事より 難しかった

色付けは 最後の仕上げの作業で これで全部が決まる
 

今日の一枚


H23828

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2011.08.26

手に職をつける

学生の頃から 物思いがつく頃から

女性でも 手に職を持った方がよいと考えていた

やはりそれまでの女性を見て 自立の出来る職をと… 

好きな道で それが出来れば

今でいう 自分探しのような考えをしてた

その頃の女性の職種は 

銀行員 バスガイド 看護婦 デパートの受付嬢 

経理事務 先生 和裁洋裁ぐらいしか思い浮かばなかった

他は会社に入社しても 腰掛けと呼ばれ

すぐ結婚の道へ と進むものと思っていた

上記のような仕事もいいけど

少しでもいいから デザインに関わる仕事がしたい

でも何の脈絡もなく 毎日を送り 

若い頃はそういう気持ちを 人に言うと笑われていた

夢見がちで 現実に地に足をつけて歩かないと だめじゃ と

いろんなアルバイトをした事が 後になって役に立つ

グラフィックという名さえ知らなかったが

そういう職種が社会に出来て その道へと進んでいった

今ではグラフィックデザイナーと 普通に言うけれど

社会に浸透してないので 言っても分かってもらえなかった

こうこう こう言うのを仕事にしてるのよ と

手に職といっても 他人から見ると 

好きな事して生活出来るのは 楽じゃね と言われる

好きだからこそ 苦にはならない仕事だった

どんなに給料が安くても 働く時間が真夜中でも…

1日中 年がら年中 職場から離れても 

頭の中は デザイン一色に染まっていた

時代が流れ 職種も分散化され カタカナ職が増える事に…

仕事の内容も 180度変わってしまった

パソコンも 手に職 には変わらないだろうけど

人を選ばない仕事になって デジタル化して…

頭があなろぐの私は その狭間で右往左往している

今日の一枚


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http://www.e-digigra.com/catalog_page/cata_KIRIE6.html

2011.08.25

アイデアの本

現在は 紙不足と言われているが

書店に並ぶ本の種類は 豊富で沢山あり

どの本が 自分に合っているのか選ぶのに困る

何かで宣伝されていないと 埋もれたまんまで

足を運ばないと 見つけ出せない時がある

デザイン関係の本も然り 大量に出回っていて

レイアウト 書体 イラスト ロゴマーク 色彩等 

デザインの初心者が 必要とする本から

デザイン論 印刷 編集 プレゼンテーション等

デザインの仕事の基礎となるノウハウ本

パッケージ ポスター カタログ カード等 

実用例まで掲載された お手本となりうる本

はたまた 流行を駆使し あこがれる仕事ぶりをする

有名デザイナーに関する仕事本から 協会の年鑑本 

パソコンを仕始めると パソコン関係の本も加わって

仕事場にも 棚が倒れそうになる位 本が溢れている

私が デザインを目指していた頃は

時代もあって デザインの本は無いに等しい

また 広島だから書店というより 本屋さんという感じ

棚に数種類ほど 趣味の本の隣に仲良く並んでいた

大阪や東京に行った時は 書店を覗いて手にする

その中に『アイデア』という本がある

外国人の手がける デザインや仕事場が掲載され

アイデアの素となる 要素が満載で 斬新で 

ページを開くごとに 心臓がドキドキしていた

見た事がないデザイン感覚 色彩 スピード感があり

目をキラキラさせて 何度も読んだのを覚えている 

今でも 『アイデア』は健在だが ドキドキしてますか

物が豊富にあり デザインの本も溢れてしまう時代に

デザイナーになる人は 何の本を手に…

今日の一枚

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http://www.e-digigra.com/DG24Web/DG24IND_IN.html