デザインの話 Feed

2011.09.25

イラストカットの境界線

カタログやリーフレット 折込チラシなどに

使われるカットも随分と変遷を辿ってきた

私の知っている範囲で見てみると

美術として描く絵画は時間をかけてしっかりと描き込む

芸術品で ごく一部の人向けの画家の仕事

イラストレーションはマスメディアによる部分が大きく

描写も図鑑や童話の世界のように物語を形成する大衆向け

このイラストレーションを描くのがイラストレーター

ひとつの仕事として成り立っていいる

それから そのイラストレーターが描くのが

もうひとつ簡単なイラストカットというのがある

目的にそって制作された内容を 説明するひとこまで

イラストカットが登場する

このイラストカットは 

シンプルであまり時間がかからなく描くのは簡単そうだが

実はとても時間がかかる 描くのは難しい 

カットひとつで 文章として書かれている内容の

補助的役割で情報を楽しく 伝達させる役目がある

そしてこのイラストカットは単価が安く

カタログ パンフレットなどの制作価格に全て

盛り込まれているので 外注では仲々頼めない

大きなメーカーはそれなりに金額もとれるだろうから

イラストレーターが描くのだろうが…

私の事務所は 外注とは縁がなかった

イラストカット・図案の本や外国のカット本を手本に

想像力を張り巡らして 描いていく

現在のように 生活に便利な品物の説明カットは

はじめに描く人は想像でしか描くことが出来ない

難しい作業だと思っていた が…

今現在 グラフィックデザイナーの仕事は

どんどんと 納期も短くなり価格も抑えられ

時代におびやかされ しのぎを削っている

受難の時代かなと思っていたが一向に

上向きになる気配がない 

世の中 不景気になると一番に広告にかかる費用を

切り詰める 負のスパイラルに巻き込んでいく

広告を出して 社会を活気づけて

消費を促すことが とにかく必要である

それを今 速い時間で 安いコストで 出来る

イラスト素材集を うまく活用することを提案!

私たちが苦労して描いてきたイラストカットは

今こそ 活躍して欲しい

今日の一枚(ほのぼのするカットを)

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http://www.e-digigra.com/EP_Webdata/EPindex.html

2011.09.24

デザインスコープは駆け抜けて行った

今のデザイナーは、

パソコンでの仕事が主流になっているから

デザインスコープは知らないだろうな

画期的な簡易製版カメラだった

どこのデザイン事務所も1台は、置いてあったと思う

仕事を独立して道具を揃える時は このデザインスコープは

まず必要な道具として 筆頭に入れていた

当然 仕事として初めてのローンを組む事になる

大きな機械で重くて 一度設置したら移動はできない

暗室をセットしなくてはならないし とても場所をとる

小さな事務所でド〜ンと威張っていた

デザインスコープが出来る前は

皆どうしていたのだろうか?

私がデザイン事務所に入った所は暗室はあった

デザインしたものを版下にする時 

清書して墨入れし書き上げたロゴやイラストは

台の上に置きカメラで撮っていた

カメラをセットして 写真を撮り暗室で現像して

フィルムから印画紙に 焼き増しをするのだ

下手くそだからピントが合わないし

暗室の中で温度を計って現像液を作ったり

デザイナーもここまでしてたのよ

版下作業は時間がかかるものでした

それが救世主が現れるがごとく

機材展にいってデザインスコープと対面

『すごいものが現れた』

大きなカメラがうつぶせに寝てる状態というところか

現像液も定着液も印画紙もセットである

このデザインスコープとセットの備品に

仕事とはいえ随分とつぎ込みつつ…

ところが今度は暗室でなく 

明室で作業が出来るデザインスコープが現れた

印画紙も現像液も機械の中に入ってて

両手を機械の前の穴に突っ込んで作業する

上のガラスから覗くように印画紙をセットする

フォーカスするのもボタンになって

どんどん便利になっていった が衰退のはじまり…

覆い被さるようにパソコンも入ってきて

少しづつ使わなくなっていく

場所をとっていたデザインスコープの処分を

考え出したとき 時代は過ぎていった

あんなに頑張って仕事をしていた証しの

デザインスコープは解体して 業者の手に

さよなら デザインスコープ…

今日の一枚(あの頃 輝いてた)

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http://www.e-digigra.com/DG23Web/DG23IND_IN.html

2011.09.23

マーブル…おはじきの事

マーブル マーブル マーブル

チョコレート ポン!

マーブル マーブル マーブル

チョコレート ポォ〜ン!

とテレビのコマーシャルを何回も 何回も歌っては

丸いパッケージのフタを ポンと音をたてて開けたものだ

私の記憶の中では 子供の頃に見た

面白いパッケージデザイン形態は ここがはじまりかしら

円筒のパッケージは中身が無くなっても 

可愛くて 何かしらガラクタを入れて納めてた

おはじきチョコの色もいろいろあり

何色から食べようかなと 子供が喜ぶお菓子は

今も昔も変わらない

そういえばシールも入っていたなぁ

どこにでもぺたぺた 貼るのは

子供の特権のようなおまけ付きお菓子だった

よ〜く考えられたデザインとCMだ

パッケージデザインは 入れ物の形態から

考えることもあり 購入されるか否かは

デザインによるところも大きい

手にとってもらえるように 工夫されたデザインは

そのひとつを決めるまで どれだけのデザインを

没にしてきたかは 分からない

何種類もアイデアを出して その中より

実際に形にして 店頭に並ぶまで

何度ものダメ出し 校正 修正があり 

また 良いデザインになっても

最後にクライアントの好みに合うかどうかも

問題のひとつになってくる

どんなに考えても 結果としてひとつのものだけが決まり

お目にかかるのは それだけだ

それまでの努力は 他の人には見えない

そう思ってスーパーの陳列棚のパッケージを眺めて見ると

今まで安いか 美味しいかで買っていたものが

思わず手に取るデザインや 中身はどうかな想像させたり

自分の好みのデザイン表現だとか 楽しくなって

随分ちがって見えてくるのが 分かりますか?

マーブルチョコレートは 

子供の頃の 私のこころをわしづかみにした

思い出のパッケージ七色チョコレート …

今日の一枚(♬チョコレートは・・・ ♬ )

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http://www.e-digigra.com/DI3D_IN.html

2011.09.10

固定概念に振り回されない

デザインの仕事を仕始めて デザインとは何ぞよ 

デザインという言葉だけでは よく分からない

デザインをする といっても

基本がよく分からないので ノウハウの本を読み

定型デザインから入って きちんとしているデザイン表現をする

レイアウト見本や書体の使い方 形のあり方 色の組み合わせ 

描写方法 コピー表現 など 実用例もあり…

 『こういう場合は こんな風に表現する

  そこは こんなレイアウトにすると良い

  このデザインは この色使いがベストである』

まじめにそれらを覚えて 仕事に生かしていく

しっかりと固定概念に はまっている

学校で習う勉強には 基本的に100点満点の採点があり

先生の教える通り 教科書に書いてあるように

まじめに頭に入れれば 自ずと点数に比例する

努力も勤勉も何もかも 固定概念の中で培われる

数学には 基本から応用へと考えを導いているが 

デザイン力はその枠から はみ出ている

人と同じ事をしてても目立たない 面白くない

どこにでもあるようなデザインをしていても

仕事は出来るが 先に進まないから先は見えている 

デザインの基本はあっても 一般の常識や形にこだわらない

そこから打破しないとならない時がある

日常的に必然とあるものを 異なる観点から見直す

違う人の立場に立って考えてみる 想像してみる 体験してみる 

老若男女 外国人 原始人 未来人 異星人 

動物植物の立場って『どんなもんじゃろう』などと

時に滑稽に思ったり 会話をかわしたり… 

創造力を張り巡らして アイデアをひねり出す

固定概念から外れたと思われる 物の見方は楽しい

創造力が 子供の様に膨らんでくる

たくさんの引き出しを持っていると 仕事もしやすい

固定概念をはずしたデザイナーは

風変わりと呼ばれることが多い 所以である

今日の一枚(揃ってない?)


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http://www.e-digigra.com/DG17_18Web/DG18IND_IN.html

2011.09.09

スクラップブックを使って

私がデザイナーを目指した 時代は 

グラフィックという言葉も 

あまり知らなくて 浸透していなかった
 
デザインといえば 思い浮かぶのは 

建築 インテリア 服飾 宝石などの装飾くらい

私自身もデザインに関わる仕事が出来ればと

安易に考えていたから 足を踏み入れてのちに 勉強した
 
物珍しく どんな仕事しているのか知らないし

しかも 社会での地位も低かったように思う

ほんの一握りの 有名デザイナーは都会にいたけれど… 

給料も低く 諸手当はなく ボーナスもない

年金や健康保険・労災は もちろん自己責任

それでも この仕事に就ける事が嬉しかった


デザイン事務所に 就職出来たのはいいが

そこに机と製図板と椅子と 取り敢えずのポスターカラーのみ

デザインの資料も本も ほとんど無い どうするの?

デザインの仕事をするといっても 誰も教えてはくれない 

所詮 自分の中から出てくるアイデアや資料と

知識・技術がなければ 先に進めない 

仕事を受けてから 徐々に力をつけていく

大学に行っても 専門学校に行っても

すぐに戦力として 役には立たないのだ

今はパソコンの知識があれば まずはオペレーターとして

足を踏み入れる一歩に なるかも知れないが…

・ 

自分で買ったり 随分資料集めをした

本屋に行っても それらしい本も見当たらず… 

新聞・雑誌・チラシ・パッケージ・包装紙・ラベルから

マッチ箱にコースターまでも 印刷物だけでなく 

出向く所 イベント先 旅行先のパンフレットも

直接すぐに必要でないものまで 頂く癖がついた

興味がある振りをして これも勉強なんだと言い聞かせ

スクラップブックに貼っていく どんどん貼る 

色の組み合わせの良いページがあれば 一部だけ切り取る

書体の面白い形のものは ロゴタイプの手本にする

様々なイベント会場に行っては 見て感じて体験する

頭の中はいつも デザインを考える事でいっぱい一杯

好きな事を仕事に出来て いいじゃない と言われるが

見えない所で苦労しているのよ

所詮 デザイナーといっても 

生活に密着した 水先案内人なのですが 
 

今日の一枚(整理するのも大変)

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http://www.e-digigra.com/DIGI3_IN.html