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2012.03.03

アルバイトの功績

昔の話 市内の新天地に  学生や若者が自転車置場に利用した公園 (現アリスガーデン)があり それを囲んで 広島の観光地のひとつ お好み村のビルがある その隣 中央通に面した大きな場所に 以前はスーパーのイズミがあり とても賑わっていた (その後は ウィズワンダーランド ヤマダ電機 …) そのイズミ横向かいの入口に面したとこに  甘党の店「むれ」があった この周辺に来ると 甘党好きはこの店にやってくる  たこ焼き 二重焼(小豆  白あん クリーム カレー) ソフトクリーム ミルクセーキ ところてん クリームぜんざい  抹茶かき氷 ドーナッツ(トッピングも多種多様)フライケーキなど 種類も豊富で 甘党にとっては魅力的なお店だった ・ 私は そのお店に3か月ほぼ毎日 アルバイトをした  まだ 就職先が決まらず生活費の為に やみくもに働いた まず商品の値段から覚え 接客をする がやがやと賑やかに 来店してきた学生グループに 大きな声で挨拶をする 『いらっしゃいませ』 私より若い でもお客さま ひとり一人の注文が 大変で… 『私は たこ焼きと二重焼のカレーひとつ』 『私は チョコレートドーナッツとトコロテン』 『二重焼の白あんとソフトのバニラとチョコのミックス』 『あと クリームぜんざいとたこ焼き』と てんでバラバラに 食べたいものを注文する 店員が大変だから と同じもので良いという考えはない あれだけ種類が豊富なら 一人づつその日の気分に合わせて 食べたいものは異なるだろうけど てんやわんやの注文とり 毎日毎日 朝から夕方まで 繰り返しの接客で 注文したものを それぞれのテーブルに運ぶ はじめは 間違えて置いていたものの 背後から大将のにらんだ目を感じ すぐに間違えは無くなる 会計も まとめないで ひとり一人小銭を差し出してくる 注文の紙は無く すべてそれらを覚えていた 誰が 何を注文し幾らいくら と計算 お釣りを渡す 会計が済み お客が足をお店から出た途端に 覚えた端から頭の中の注文表が ぱっと消えていく  ごった返したテーブルを片付け そして またすぐ次の客の番が来る 立ちっぱなしの太い足が 帰りには棒になる ・ 店内で食べるお客もいれば 店先で買って帰るお客もいる その為 店での造りは 店先の左に二重焼を作り 右にたこ焼きをその後ろでソフトクリームとクリームぜんざい 奥で 心太やその他の商品をつくり 壁をへだてた隣でドーナッツを揚げ 2階に持ちあがり トッピングをつけて 商品にして下にまた降ろす 接客に慣れてくると 作るほうも手伝うようになる ドーナッツを揚げたり ソフトクリームの粉を入れて 多種類のクリームをつくったり  心太 クリームぜんざい と徐々に 只のアルバイト以上に 仕事を仰せつかる 他のアルバイト学生が都合をつけて休むと  代わりに 長時間働いていた 昼も2階で食事をかき込んでまた すぐお店に降りる 『1日何時間働くの』という先の見えない仕事だった ・ しかし 今考えてみると あの時があり 何事も勉強になる アルバイトという仕事は 責任感が伴わないが 自分の為の責任感を持ち 仕事を覚えると 客観的に物を見ることが出来  今までと違った社会を知ることが出来る いろんなアルバイトをしてきたが 後に 目指すことになるオールグラウンドの グラフィックデザインの仕事に 大いに 役立つことになる ・ ・ 今日の一枚(二重焼を見ると思い出す 味) H240303 版画調のイラスト有り〼 ↓ http://www.e-digigra.com/Hanga_IN.html