熊野の筆
なでしこジャパンが 菅首相から国民栄誉賞を授与され
副賞に 化粧用筆の熊野筆が 贈られた
副賞は100万円相当の物品をとのことで 人数で割ると
ひとり 3万円 『きり箱入りの熊野筆7本セット』
世界に誇れる伝統工芸品の中からと 選ばれたらしい
単純計算すると 1本 4,000円は下らない筆 高価な品
頑張ると こういう物がご褒美として 頂く事が出来る…
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今は使用していない 面相筆が 引き出しの中にある
仕事が パソコンに移行してからは
筆から マウスに代わり 手にしなくなった
仕事の内容が そんなに変わらないでも
使う道具ががらりと 様変わりしてしまうとは
考えてもみなかった
ポスターカラー 筆 絵皿 ケント紙
三角定規 ディバイダー コンパス
烏口 インク ガラス棒 溝引き ロットリング
あなろぐ道具は もっとあり 色々と使っていた
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なかでも グラフィックデザインの制作に
欠かせないのは 筆類
レタリングを書くのに 必要不可欠な存在だった
レタリングだけでなく 細かい線を引く時に
面相筆は ガラス棒と溝引きとセットで 誰もが持っていた
よく使うから 抜けたり ちびたり 穂先が紛失したりと
買い替えなければならない
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いつも ちょうどタイミングよく
熊野から訪れる 面相筆業者というより
出稼ぎのおじちゃんがいた
自分の薄給で購入するのに 少し高く感じていた
手に取って見たものの 黄軸 黒軸 何本購入しようかな
悩みながら 綺麗に引けそうな筆を 数本ほど手に入れる
新品は嬉しいが 制作がスムーズにいくように手にならす
あの頃は 熊野の筆がここまで有名になるとは
思ってもみなかった…
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それまで需要があったものが 突然となくなり
新しく開拓していかなければならない時
揺るぎのない軸があれば 立ち直せる
日本の職人気質が つくらせる技法
熊野の伝統工芸は 広島の誇りだ
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今日の一枚