最近 食堂が流行る訳
むかし
白島電停終点から2~3分もしない所に
○●食堂というのがあり
近くのパン屋さんに行く都度
通りすがり 眺めていた
初めてパン屋さんに通い始めた時から
その食堂はずーと そこで営業しており
就職してから 昼食のパンを買う時も
お店はあったが お客さんを見たことがなかった
夜のお客さんが多いのかな
昼は 扉が開いてても のれんがあり
また うす暗くて中がよく見えない
一膳飯屋のその店は ずーとそのままで
あまり店構えを 綺麗に変える風でなく
お客さんを呼び込む工夫もしていない
私自身 その店を利用する考えはなかった
ここに入るお客さんは どんな人がくるのか
想像もしないが 自分とは擦れ違う社会の人
自分とは 縁のない店ぐらいにしか思わなかった
・
しかし
相方と知り合って
食事をして 帰ろうとなり
○●食堂に 足を向けるではないか
お店の古いのれんをくぐると
『おかえりなさい』と奥から声がして
にこやかな温かい笑顔が 迎えてくれた
常連さんみたいだ この人は
『おかみさんに 見せに来たよ』と
私を 紹介してくれた
まずは ビールでのどを潤し
仕事の緊張した心が 一気に融ける
『いつものを』と ひとことだけで
ガラスケースの作り置きのおかずの中から
サバの煮付けを取り出し
レンジ内に セットする
温かいご飯とみそ汁をよそい
じゃがいもサラダと漬け物
用意する間 なにげない会話がつづく
お年寄り夫婦が切り盛りする
昔から そこにある食堂
おかみさんが切り盛りし
おやじさんは奥の椅子に腰掛けて
手が必要になると 腰をうかせる
材料の仕入れ担当なのかも知れない
お客さんを呼び込まなくても
自然と帰りたくなるような食堂だった
・
独り身で いつもの仕事が終わり
頑張って働いたぶん お腹を満足させに
いつも 立ち寄るお店へ
いつもの笑顔 いつもの味をこしらえて
待っていてくれる
おふくろさんがいるような温かい場所
『いつまでも あったらいいな』
と思う食堂が 今 必要…
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