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2011.11.25

菓子袋のデザインカンプ 今昔

もう今から 何十年も昔の話である

菓子袋などの透明ビニール袋も デザインしていた

現在のデザイナーには

到底考えられない方法でカンプ作成していた

デザインは他の商品より 存在感があり 目立つように

商品自体の特長を考慮して 進めて行く

一通りデザイン 配色を考えると

まずデザインを起こしたものを 

袋と同サイズの大きさで 下絵を書く  

薄いトレーシングペーパーに

0.1〜2mm位の線で 

袋のサイズ等アタリ罫(輪郭)や模様を縁取る

お菓子の文字もアタリ罫で  

一文字が2〜3mmのコピー文は一筆書きで書く

細かい地模様は 表現出来ないのでデザインをさけるか

又は その模様の印刷してあるものを部分的に使う

書きあがったトレーシングペーパーに

ルミラーというポリエステルフィルムを裏側からあてて

その上にスワンペーパーを貼付け

ライトテーブルの上で作業する

トレーシングペーパーに書いた線が透けて見えるので

その線をたどりながら デザインナイフで切っていく

ここがポイントで スワンペーパーのみ切っていく

ルミラーは最終的にはお菓子袋の代わりとなるので

決してルミラーに傷つけては いけない

スワンペーパーの紙一枚の感触が

分かれば 上手く作業出来る

次の手順は ポスターカラーで色づけしていく

お菓子袋に使われる色は特色で4〜5色多くて7色くらい

やはり色数が多くなるとコストが掛かるので抑えたデザインに

ポスターカラーの色も調合し 

ピースガンを使うので詰まらないように漉しておく

ポスターカラーをゆるゆるに融き過ぎると

スプレーするときに水滴のように垂れてしまう

ポスターカラーは余分に吹き付けてしまうと厚くなり

ルミラーから剥がれてしまう 適度を見極める

色づける順番を間違えないようにスプレーする 

まず文字の部分から

スワンペーパーを剥がして カラースプレー

模様等手前にくるデザインから順序よく

スワンペーパーを剥がしスプレーの繰り返し

小さい文字は鏡に写ったように 逆さの文字を面相筆で書く

色をつけた部分の全てに 

最後の仕上げとしてホワイトカラーで覆う

平面で作業の状態からお菓子袋として形づける

デザインカンプ 終了

ひとつ ひとつがとても気の使う作業で

今は こんなやり方はない 

簡単にパソコンで細かいところまで一気に仕上げ

フィルム出力で  形を作って出来上がり

昔の作業は 苦労話で花が咲く

小さい所のこだわりが合ったりして…

ところで今現在 まだ現役で分かる人 何人いるのかしら


今日の一枚(デザインの道具たち)


H231125_2


http://www.e-digigra.com/catalog_page/cata_DG08.html