菓子袋のデザインカンプ 今昔
もう今から 何十年も昔の話である
菓子袋などの透明ビニール袋も デザインしていた
現在のデザイナーには
到底考えられない方法でカンプ作成していた
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デザインは他の商品より 存在感があり 目立つように
商品自体の特長を考慮して 進めて行く
一通りデザイン 配色を考えると
まずデザインを起こしたものを
袋と同サイズの大きさで 下絵を書く
薄いトレーシングペーパーに
0.1〜2mm位の線で
袋のサイズ等アタリ罫(輪郭)や模様を縁取る
お菓子の文字もアタリ罫で
一文字が2〜3mmのコピー文は一筆書きで書く
細かい地模様は 表現出来ないのでデザインをさけるか
又は その模様の印刷してあるものを部分的に使う
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書きあがったトレーシングペーパーに
ルミラーというポリエステルフィルムを裏側からあてて
その上にスワンペーパーを貼付け
ライトテーブルの上で作業する
トレーシングペーパーに書いた線が透けて見えるので
その線をたどりながら デザインナイフで切っていく
ここがポイントで スワンペーパーのみ切っていく
ルミラーは最終的にはお菓子袋の代わりとなるので
決してルミラーに傷つけては いけない
スワンペーパーの紙一枚の感触が
分かれば 上手く作業出来る
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次の手順は ポスターカラーで色づけしていく
お菓子袋に使われる色は特色で4〜5色多くて7色くらい
やはり色数が多くなるとコストが掛かるので抑えたデザインに
ポスターカラーの色も調合し
ピースガンを使うので詰まらないように漉しておく
ポスターカラーをゆるゆるに融き過ぎると
スプレーするときに水滴のように垂れてしまう
ポスターカラーは余分に吹き付けてしまうと厚くなり
ルミラーから剥がれてしまう 適度を見極める
色づける順番を間違えないようにスプレーする
まず文字の部分から
スワンペーパーを剥がして カラースプレー
模様等手前にくるデザインから順序よく
スワンペーパーを剥がしスプレーの繰り返し
小さい文字は鏡に写ったように 逆さの文字を面相筆で書く
色をつけた部分の全てに
最後の仕上げとしてホワイトカラーで覆う
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平面で作業の状態からお菓子袋として形づける
デザインカンプ 終了
ひとつ ひとつがとても気の使う作業で
今は こんなやり方はない
簡単にパソコンで細かいところまで一気に仕上げ
フィルム出力で 形を作って出来上がり
昔の作業は 苦労話で花が咲く
小さい所のこだわりが合ったりして…
ところで今現在 まだ現役で分かる人 何人いるのかしら
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今日の一枚(デザインの道具たち)