虚像と現実と
先日 テレビ番組である実験をしていた
幼児がビデオを見て 画面内の人物に教えを請う場合と
実際に人から会話の中で 教えを請う場合の違い
あきらかに 側にいる人からの方が
子供にとっての理解度が高く
ビデオでは理解出来なかったし間違えていた
いくら優れた能力があっても 冷たい機械は
直接の息づかいや肌の温かさを感じる指導に
及ばないし 子供の感受性に与える影響は劣る
*
テレビ・ビデオなどの 繰り返し流れ出るCMや
安易に楽しめる事柄が 次から次と映し出され
考える時間を与えない 一方的に脳に入り込む
そこから次に 繋がるものを考えさせるより
スピードのある面白さ 音楽やゲームに興味を示し
人とのコミュニケーションが育たない
創造力が育たない子供になり 悪影響…
*
むかし 私が子供だった頃は
白黒テレビは 豊かな家庭にしかなく
ラジオのみで漫画や絵本も買ってはもらえないから
図書館で借りるか クリスマスか誕生日ぐらいに
買ってもらう数冊を繰り返し読んでいた
そして今思うと 本の物語で創造力を鍛えられ
色を想像して物語に色付けし 登場人物になりきって
自分用の為の話をつくっていた 夢をつむいでいた
だから のちにテレビドラマやコメディを見ても
これは画面上のことだと ちゃんと区別でき
それ以上その世界に入り込むことはなかった
たま~に マンガの本の悲劇のヒロインってステキ
マンガの中の人はいいなぁ 絵の中に入ってみたい
子供ごころに そういうことを記憶している
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便利の良い生活は 昔と比べると非常に有り難いが
便利さゆえに 何か見落としがちになる
不便さも取り入れて 手間ひま掛けて
親が子供の目を見て 育てていかなければ
本当の豊かな人間はつくれない
不便さがゆえに 簡単に手に入らないからこそ
我慢したり 工夫したり 頑張ることを覚える
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今日の一枚(白黒テレビが 色を想像させた?)