間取り図に夢をのせて
バブルの頃は 仕事の内容に不動産のものも多くあり
マンションや一戸建ての建物の
カタログやパンフレット 折込チラシも手掛けた
その中に 必然と言って良いぐらい建物の図面がある
基本的に建物の外観のパースや間取り図は
それを専門の仕事としていた人が描く
外観パースは正面からの一枚でいいが
間取り図の場合 新築マンションは種類も多く
一戸建ては 2階3階立でも増えてきて
また チラシの場合は物件も沢山掲載するので
トレースする数も多くなる ひとつ受ける仕事でも様々である
デザインの仕事を受ける時 営業マンがパースも間取り図も
仕上がりを持って来るので デザインと版下を受けていたが
段々と費用がかかるので 外注はパースのみで
間取り図をトレースする羽目になった
間取り図が上手くトレースする事が出来なければ
外注のままで済んだのだろうが…
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ある日 間取り図を50戸とか100戸という仕事が入り
『どうするの?』
安く 早く 上手く出来てしまう牛丼屋のように
手早く やってしまうことになる
いつの間にか 間取り図だけの仕事も受けていた
早くするコツは 流し台 トイレ ドア等の決まった形は
下じきのような塩化ビニールを切り抜き加工して作っていた
同じ形なので トレースするのも同じ大きさにして作業する
ドアや壁等はちいさい烏口コンパスをもっと加工し
サッシ扉などの2重扉は烏口コンパスを分解して
細い線が書けるようにした
あとは壁の中を墨入れしたり 紙焼きした文字を
貼り込んで仕上げする
墨がはみ出たところは
トレース紙のインクの乗っている部分をデザインナイフで削るか
ポスターカラーのホワイトを入れて修正する
しかし 修正が入らぬようにするところに達成感がある
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現在は パソコンで作業するので
建物内の設備種類が多くなっても 一度作成したパーツを
簡単にコピー&ペーストで仕上げてしまう
同じ間取り図でも 作業工程がまるで違ってきた
ああ何回 間取り図をトレースして叶わぬ夢を見たのだろうか
今でも 間取り図をみると
創造力が膨らみ 生活設計を立ててしまう
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今日の一枚(間取り図で夢を)