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2011.09.12

ガタゴト ゴットン電車

空が高く澄み切った空気が 秋の到来を思わせる  『いい天気だし 散歩に出掛けよう』 蝉の声もおとなしくなり 代わりの虫の声が聞こえる 耳を澄ませて聞いてると 遠くの色んな音が交差する その中に 昔から馴染みのある音がある ゴトゴト ゴトン ガトン 路面を快適に走る音 信号近くでゆっくりになり また走り出す  ガッタン ゴットン ガッタン 響く   川に架かる小さな鉄橋を通る音 停留所近く シューウと止まる音 広島の町から町を走る路面電車 ・ 子供の頃 電車に乗ると すぐに空いてる席に直行し 窓の方を向いて 後ろ向きにひざをついてすわり 外の動く景色を見る 宮島方面は線路と家々の間が狭くて近い 町の流れる景色がとても速く感じる 家が鼻の先を通り過ぎる 車が向こうを走る どっちが早いかな 顔が右往左往している 信号がある分 電車が早く動くが直ぐに抜かされる 電停近くになると 走りが鈍くなり留り また走り出す 車掌さんが電車の動きでゆられながら 向こうから 切符を売りにくる 前に鞄を掛け 制服のきりっとした姿 マイク越しに『次はくさ〜つ 草津』と 電停近くなると 鼻にかっかったアナウンスがある 通学・通勤・お買い物に いつも見かけた風景  ・ 今は 切符を求めるのも支払う形も変わり 車内のシートも綺麗になり 昇降も楽になり 電車の形もスマートに 種類も多くなった しかし 町の中を走る姿は変わらない 時代を反映しているが 人々に愛され 暮らしの中に そのまま生かされている 車の走る道路に並行して走る電車  音は いつまでも昔のまま  『ふるさとの 訛りなつかし 停車場の       人ごみの中に そを聴きにいく』 広島弁も路面電車も いまだ現役 いつまでもあってほしい風景… ・ 今日の一枚(次は小網町) H23912_2 http://www.e-digigra.com/title_page/dg1_in.html