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2011.09.24

デザインスコープは駆け抜けて行った

今のデザイナーは、

パソコンでの仕事が主流になっているから

デザインスコープは知らないだろうな

画期的な簡易製版カメラだった

どこのデザイン事務所も1台は、置いてあったと思う

仕事を独立して道具を揃える時は このデザインスコープは

まず必要な道具として 筆頭に入れていた

当然 仕事として初めてのローンを組む事になる

大きな機械で重くて 一度設置したら移動はできない

暗室をセットしなくてはならないし とても場所をとる

小さな事務所でド〜ンと威張っていた

デザインスコープが出来る前は

皆どうしていたのだろうか?

私がデザイン事務所に入った所は暗室はあった

デザインしたものを版下にする時 

清書して墨入れし書き上げたロゴやイラストは

台の上に置きカメラで撮っていた

カメラをセットして 写真を撮り暗室で現像して

フィルムから印画紙に 焼き増しをするのだ

下手くそだからピントが合わないし

暗室の中で温度を計って現像液を作ったり

デザイナーもここまでしてたのよ

版下作業は時間がかかるものでした

それが救世主が現れるがごとく

機材展にいってデザインスコープと対面

『すごいものが現れた』

大きなカメラがうつぶせに寝てる状態というところか

現像液も定着液も印画紙もセットである

このデザインスコープとセットの備品に

仕事とはいえ随分とつぎ込みつつ…

ところが今度は暗室でなく 

明室で作業が出来るデザインスコープが現れた

印画紙も現像液も機械の中に入ってて

両手を機械の前の穴に突っ込んで作業する

上のガラスから覗くように印画紙をセットする

フォーカスするのもボタンになって

どんどん便利になっていった が衰退のはじまり…

覆い被さるようにパソコンも入ってきて

少しづつ使わなくなっていく

場所をとっていたデザインスコープの処分を

考え出したとき 時代は過ぎていった

あんなに頑張って仕事をしていた証しの

デザインスコープは解体して 業者の手に

さよなら デザインスコープ…

今日の一枚(あの頃 輝いてた)

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