後髪をひかれる思い
髪に 白髪がまじり初めて以来
もう何年も その度に染めてきた
1か月に 数センチ伸びると
前は そう気にはならなかったが
今は 相当見苦しくなってきた
しっかりと 髪が伸びたのが分かり
地肌と白髪が 髪の分かれ目からのぞく
外出先で 人から見られて気になるのに
気にしないようにしている 自分がいる
『いつから 白髪の生えてくるままでいようか…』
考えるところで『やはり染めよう』また染めては
伸び始めると また 考える
そうこうするうち やっと決断して
『染めないままでいよう』となった
何か月もそのままでいると
どんどんと白髪の割合が増えてきた
・
娘が 久しぶりに帰って来て
『髪染めてあげようか?』という
『えっ! 黒い方が良い?』
『うん』
それは そうであろう
誰しも 親は若く見られるほうが
良いに 決まっている
いくら 気分は若いつもりでいても
外見が 老けて見られては と思うのだろう
顔と髪のバランスがおかしくないかな?と
思うが そこは上手い具合に染めてくれた
髪をとかして 優しく染めてくれる手が温かく
髪から 心に伝わってくる
正月そうそう 込み上げてくる …
・
正月過ぎて 娘は風のように帰っていった
後ろ髪をひかれる 思いでいる
また1カ月すると 白髪がはえてくる
親は歳をとり 子供は親が生んだ歳になった
・
・
今日の一枚( 佇む )