お豆の煮たものが好きで
よく小豆や黒豆に大豆 おかず豆を炊く
今年も黒豆をつくる
煮豆は時間が掛かる
コトコトと時間を掛けて煮なくては
美味しくならない
一晩 水につけて 柔らかくし鍋に掛ける
灰汁をとるため 最初は重曹を少し入れ
煮立たせ お玉で灰汁をすくう
水が少なくなると ひたひたになるように
お豆の上まで水を継ぎ足し 繰り返し煮る
仕事の日など 台所から離れるときは
コンロの上にそのままに
また夕方 続きの豆のスイッチを入れる
『コトコト コトコト』
ひとつぶ 豆をとり指でつぶしてみる
柔らかくなって 砂糖を足しながら炊き
隠し味の塩をひとツマミ
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ハタチそこそこの頃
お彼岸に 初めておはぎをこしらえた
母に食べてもらい それでも多く
作ったものを 会社に持って行き
昼食後に 同僚に勧めてみた
『どう?』
『塩味がきいて美味しいね』
『 … 。』
隠し味が 表に堂々と出てしまった
最近の世間の食事情は 固定概念に惑わされず
甘くないおはぎも あったりするが…
母は 笑顔で何も言わなかった
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圧力鍋があれば 簡単に出来てしまうのだろうけど
普通の鍋でお豆を煮るのは 要らない時間が掛かる
この煮炊きする行為が なんとも好きだ
水が少ないと 皮にしわが出来て失敗する
ふっくらとしたお豆さんは 眼が離せない
仕事柄 時間がない余裕のない気持ちが
こうして お豆さんと付き合うことにより
平安さを 保たせてくれる
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今日の一枚
(黒豆が 酒の肴の 箸休め)
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上記の四季の版画調のイラストあります